グッタペルカ

94130004

グッタペルカ。 彼は、今青信号になったばかりの交差点を1986年製のパナソニックの赤と白が配色されたロードバイクに股がって渡ろうとしていた。心の中で、“口をつく”というようなタイミングで、すでにその言葉をつぶやいていた。 幅6メートルほどある、わりとゆったりとした青信号になったばかりのその横断歩道で、女性がうつぶせるように転んでいた。辺りは一瞬どよめいたがすぐに日常を取り戻していた。ただ一つ、そこに特別製を見出すとすれば、辺り一面に広が …

| 0 Comment

ある夕立、雷鳴、轟くようなもの

54830018

ある夕立の、辺りに甘く立ちこめる独特のアスファルトの匂いとともにそのものは現れて、こう言いました。 “こっちにおいで。こっちには何か面白いことがありそうだ。” koko Mänty (kissa)      成重 松樹

| 0 Comment

通学路

54680002

その道はほとんど忘れ去られてしまっているかのようでした。ぼんやりと当時の面影のまま何のお役所的手入れもなく、まるで亡霊のようにそこにあるだけで、それは僕に、郊外のデパートメントの屋上に出鱈目にはめ込まれた観覧車が雨に打たれている姿を思い出させるのでした。そのころの九州北部は特段雨の多い時期で、その道中に人っ子一人居合わせなかった(ある道しるべのような者には出会ったのだが。。)ことがただそうさせたのかもしれません。そこは僕が幼稚園から小学 …

| 0 Comment

家族ノアル風景〜あの素晴らしい愛をもう一度〜

54650006

今回の記事はもう一ヶ月ほどずっと書こうと思っていたのに、忙しかったわけでもなく、ただうまく書くのには“ちょうどいい時間”というものがみつけられなかったのでした。いざ書き出してみると、そのことは僕の生み出した問題でしかなく、“書いている時”こそが書くのには“ちょうどいい時間”だったようです。こんな風に後回しにしてきたあらゆる問題は、案外そういうもなのかもしれないですね。 これは、或る家族の風景です。 子供のころの“家族”という枠組みは、ほ …

| 0 Comment

松Q83

37830008

koko Mänty (kissa)      NARISHIGE  Matsuki

| 0 Comment