春がまだ、春を始めようとした頃

これは4月1日、春がまだ、春を始めようとした頃の一枚。この日はよく晴れた日で端々にその陽気を携え、しかしまだ冷涼とした空気をはらむようなそんな一日。その頃、チェコ大使館では、ヤン・シュバンクマイエルのコラージュ作品の展示が行われていて、新作映画『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生』の期待を示すように、街のサクラは芽吹き始め、とても穏やかだったことを思い出します。

写真は、何処までも続く記憶、記録(光、空間、皮膚の粟立ちetc..)の断片で、脳のどこかしらの器官が金太郎飴のように切断されたような気分です。すっぱりと。そのすっぱり感がとてもいいのかもしれません。だってわかりやすいんですもの。

先日は、森美術館にて催されているデュシャン賞の回顧展的なものに行ってきました。そこには、マルセル・デュシャンのレディメイドの代表作でもある邦題「泉」も展示されていました。数点彼の展示があり、どれも美術の教科書で見たことのあるものばかりで、これが直接彼が触ったものだなんて!という感慨。著名な油絵のデコボコなんて観た時に感じるそれです。確かに昔、その目前に彼らがいた。そういう形而上の物事に、時の流れに、ただただ感服してしまい、そういった一切が詩だとかに託されている気がして、ようするにトータル的に嫉妬してしまうのです。何を言ってるのだか要領を得ませんが、興奮しているのです。多分、概念そのものになりたいだとか、途方もないタイプの欲望の露呈。

生きることそのものが究極のレディメイドなのだろうなぁ、というのが今回感じたことです。

興奮を書き留めただけなので、まとまりの得ない始末です。それならば、森美術館ではまだまだ開催中ですので、是非!ということでまとめさせていただきます。

koko Mänty (kissa)         成重松樹

  • Print
  • Facebook
  • Google Bookmarks
  • RSS
  • Tumblr
  • Twitter