ちょうど一年前の雑誌。そこにはある原宿の“雑貨”屋さんの特集が組まれていた。
冒頭、特集の見出しに「不器用だからていねいに。」とあった。さらに「世間がどんな流行をつくっても、ここに来れば長く愛せる大切なものがみつかる。」と紹介されている。(一度行きたいと思っているのだが、まだ行けていない。)そこでは、各地の仲間が作っている、オーナーが直接いいなと思うものだけを扱っている。そのショップ内でもスタッフたちが時間さえあればこしらえものをしているとのこと。さらに僕に感動をのしかけてきたのは、その心持ち、所作だった。人と接する時の距離感、ものの扱い方、コンビニおむすびを食べるときもランチョンマットを敷いてお皿に盛りつけること、針の数の確認やアイロンがけ、小さな作業を怠らないこと、、、 はて、こういったきちんとした作業、深呼吸をするかのような振る舞い、僕にはできているだろうか。そういったことを見直せる再会的バックナンバーだった。
書籍の中でも特に雑誌というものは、一度手放してしまうと、時が経てば経つほどに再会が難しくなる。ある意味では、時が経って初めて雑誌は価値を覗かせるのかもしれない。大事にしていきたい文化のように思う。そっと“ありがとう”と言えるような存在。
koko Mänty (kissa) 成重 松樹