虫の音がします。
秋の音を裏切るように、頬を生暖かい風が撫でます。
この風の中を、自転車で駆け抜けると、気違いな季節感に夜の暗闇が集まってきて、この坂のどこまでもが世界のように感じられ、深さと小ささを感じます。
進む道が、光に続いているのか、一寸先の闇に惑わされてしまうのか。
どうやら私自身の手に委ねられているようです。
もし人生が全て天によって、完璧に決められているのだとしたら、私はもはや完全な自由なのではないかと思うのです。
季節を感じれる慶びの感謝を忘れずに、行けるところまで行ってみようと思います。
それでは行ってきます。