《新型コロナウイルスについての方針と対策》
こんにちは。随分久しぶりとなる投稿はタイトルの通り「新型コロナウイルス(以下コロナ)」についての投稿となります。目に見えず、実態の感じられない存在から、どうしても身近に感染者でもいない限り、現実感乏しく今日まで過ごして来てしまいました。
そんな中、都より土日の外出自粛の要請が出たのが先週末になります。結果的に当店としてのアナウンスが遅くなってしまいましたが、現時点での状況を踏まえ、当店の方針と対策をお知らせできればと思います。
まず、僕の性格上、ああだこうだと書いてしまって、要点がわかりづらくなってしまいそうなので、わかりやすくはじめに、お約束事から書かせていただきます。ご納得いただけないことや、違和感等、あるいは間違った考えがあるかもしれませんが、その後に僕の想いも書かせていただいておりますので、お時間ある方は最後までご一読後、アドバイス等ありましたら是非ご教示いただけましたら幸いです。
早速ですが、まずいくつかのお約束事になります。箇条書きで、淡白に聞きえるかもしれませんが、後に説明書いておりますのでよろしくお願いいたします。
・当店の各所(入口、トイレ、施術面)に消毒液を設置していますので必ずご利用ください。
・1日のお客様の人数をコントロールさせていただきます。
・カウンセリング以外の会話は大変残念ですが、なるべく控えさせていただきます。マスクは着用していますが、「3密」を避けるためご理解いただけますと幸いです。
まず、大前提で少し強い言い方で誤解を招くかもしれませんが、僕も、お客様も感染者であることを前提とさせていただきます(なら営業するなとなりますが)。ですので、まず「3密」を避けるため、換気消毒には十分に気をつけて参ります。お客様にも必ず入店時、おトイレの後、お子様連れの際の気逸らしや、待ち時間、あらゆる事情でのご飲食の前に手指の消毒をお願いいたします。ご来店前にも各所消毒して準備しておりますが、残念ながら完璧ではありません。一番怖いのはウイルスの着いた手でお顔を触ってしまうことだと思いますのでご理解いただければと思います。
幸い、当店は一対一の体制をとらせていただいておりますので、相互と前後のケアをとらせていただければ比較的お越しいただき易い環境なのかなと思います。それでも、やはり、「3密」になりやすいのが接客業です。寒い日もまだありますが、換気のため窓を開けての接客となりますのでよろしくお願いいたします。
次に、社会面の影響に考慮して、1日のお客様の人数をコントロールさせていただきます(電車等、移動から伴うリスクをなるべく減らすため)。とは言え、ご近所の方もたくさんいらっしゃいますので、どちらかと言うと、1日の感染リスクを単純に数で減らすためとご理解いただければと思います。
また、合わせて、換気や消毒等のため、なるべくお客様とお客様の間隔を空けさせていただきます(15分~30分)。そのこともあり、どうしても1日の接客可能人数が減ってしまい、お断りさせていただく機会も増えると思います。お忙しい中でのご調整でご希望にお応えできないのは申し訳ないのですがよろしくお願いいたします。また、遠方より電車等の公共の移動手段をご利用の方は、なるべく11時以降の空いた時間での移動をお願いいたします。ラッシュ前に戻れるよう、こちらもご相談をしながらご対応させていただければと思います。
また、セキュリティは弱いかもしれないので難しいかとは思いますが、当店にもWi-Fiはとんでおります。もし可能でしたら平日のリモートワーク中などにお越しいただくというのも良いかもしれません。
そして、美容室にとって時に重要な役割の一つともなるコミュニケーションについてです。カウンセリングは欠かすことができません。カウンセリングと、その日までの僕の技術的、精神的準備でお客様の髪型はほぼ決まります。ですので、カウンセリングはどうしても省くことのできない美容室の生命線です。工夫としては時間さえ許せばご来店前のメール等にてイメージの共有をすましておくのも手かもしれません。
しかし、ここで避けたいのは3密の「間近で会話する密接場面」です。僕はマスクをしていますし、お互いが鏡面に向かっているのでまだ良いかもしれませんが、やはり近い距離での会話となります。絶対はありませんので、大変残念ですがなるべくカウンセリング以外の会話を控えさせていただければと思います。
美容室では、日々の喜びの言語化による再確認、または社会や学校、家族の愚痴、あるいは先進的なアイデア、そういったものが会話として生まれる場所でもあり、そういったことを少なからず美容室に(いつのまにか)期待してご来店されている方も中にはいらっしゃるかもしれません。ですが、今しばらくの間、美容室では髪の毛の変化(髪型、トリートメントやパーマやカラー等による質感の変化)をお楽しみいただければと思います。そのために目一杯考えて施術させていただきたいと思います。
そして、最後に、これだけは言わせてください。間違ったことを言うかもしれません。それでも勇気を持って言わせてもらいます。美容室はある人にとっては、不要不急のことかもしれません。僕自身も不要不急のものと感じるでしょう。しかし、そうではない人もいます。今回の機会でそれがまた改めて考え直させられました。
もちろん、それは女性だけではないのですが、社会的側面から女性に多いかもしれません。年を重ねると、ジェンダー等あらゆる社会的ステレオタイプのイメージからの押しつけも手伝い、自己肯定感が下がってゆきやすいです。世間では、「目先の利益にとらわれるな、今すぐお店を自粛しろ」等そんな声もちらほら見え始めました。本当に全人類のことを考えれば、全員がお家にこもって、ご飯を食べられればなんとかなるでしょう。でも、わたしたちは最早「社会」、「文化」の中で生きています。もうこれはまぬがれることのできない精神構造です。先日のドイツのメルケル首相の演説を聴きました。民主主義の中の政治家として喋る姿には改めて感銘を受けました(ドイツ国民がどう思っているかは知りませんが)。そこで彼女が言っていたことの中に「~最低でも1.5m離れてください。こうした要求がどれだけ難しいことかわかっています。わたしたちは好意を身体的な近さやスキンシップとして理解しています。けれども、今はその逆が正しいのです。これはみんなが本当に理解しなければなりません。今は、距離だけが思いやりの表現なのです。~」と大まかにはこう言っている部分があります(翻訳記事参考:コロナウイルス対策についてのメルケル首相の演説全文)。つまりこれは、これまでの人間的振る舞いを捨ててでも守らなければいけない大切な命たちがあるということでしょう。本当にその通りの大変な局面まで来ています。それでも、それでもです。確かに髪は切らなくても死にません。白髪は伸びきってもあなたの価値は何も変わりません。だけれども、わたしたちはもう、わかっていてもこの世界の築き上げた精神価値を完全に捨て去って生きることは出来ないのも確かです。だから、あなたが、我慢して我慢して、それでも堪えられなくなった時は、移動のリスクに十分(相互の先に延びる数多の命のために)気をつけて、当店にお越し下さい。誰に責められようとも、どれだけそれが間違ったことでも僕だけは最後まであなたの味方です。
3ヶ月放置した自身の白髪姿を見て、きっと精神的に参ってしまう人もいます。随分と老け込んでしまったと、もちろんそんなことはないよ、と言ってあげたいです。しかし、それでも元気を無くしてしまう人はいるのです。心の免疫を保つことは今何よりも大切なことの一つだと思うのです。人はストレスで死んでしまうこともあります。
それは間違ってるよ、という人は多くいるでしょう。確かに数多の命と引き換えに推奨するわけにはいきません。実際に都市封鎖が起きれば、美容院は営業停止でしょう。それでも、それでも、この大切さを僕は伝えなければなりません。小説家の村上春樹氏が。イスラエルの文学賞受賞時のスピーチの中でこんなことを言っていました。「例え壁の側が正しくとも、わたしはいつも卵の側でありたい。」
今は、本当に正しいことが何かはわかりません。それはいずれ訪れるであろう“いつか”にわかることなのでしょう。今何をすべきかを考えて、それでもそっと人間らしい生活に希望を灯し続けたいです。
こんな状況だからこそ、僕があなたと会った時、あなたがお店を去っていくとき、僕は笑顔でいたい。そう思うのです。
皆様、是非、今はお家で過ごすことを大前提に選択してください。それでも髪で悩んだら、メールをください。ヘアケアや季節の対策等、ご相談に乗らせていただきます。ヘアケア商品の買える当店のショップサイトの準備もあります。ご気兼ねなくご相談ください。
次に皆様とお会いする時に、また大きな笑顔でいられますように。
koko Mänty (kissa) ココマンテュキッサ 成重 松樹